見仏記 (角川文庫)

見仏記 (角川文庫)

パブリッシャー
角川書店
価格: ¥700

見仏記 (角川文庫)のレビュー

出版から歳月を経て、ますます味わい深い必携の見仏ガイド
 古都でいろいろな仏像を見ていると、自分は日本人なのか、という疑問がむくむく湧いてくる。この感覚は間違っていない、と本書は教えてくれた。現代日本人はすでに「時間的ガイジン」。お寺の高い天井を見て「日本じゃないって感じだよねえ」と、みうら氏はのたまっている。
 中宮寺の半跏思惟像はエマニエル婦人座像に影響を与えているとか、仏足石とキングコング、ゴジラの比較など、仏像の見方を劇的に変えたこの書では、若干の怒りの後で必ず大爆笑させられる。そしてぜひ自分でも見てみたいという思いまでも、抱かされるのだ。
 さらに、たとえば東北の慈恩寺での「政治と仏像」問題など、みうら氏の指摘はあくまで鋭い。仏様の名を変えれば重文指定をしてやるから、という国の横暴システム…… 。
 「アンノン族」「ギャル」「岡本夏生」など、時の経過を感じさせる単語にも、みうら氏を見つめるいとう氏の温かい視線にも笑みがこぼれる。そろそろこの本自体にも、アンティークな味わいが出てきたようだ。いずれ必ずこの本を読みなおして、手つかずの京都にトライしてみたいな。
三十三年後の約束
この見物記は、興福寺から始まっている。
奈良、京都、東北、九州……。旅行記ではなく、仏を見た記録。
仏像そのものについての薀蓄ではなく、仏像を見たときの感覚や感想、連想をつづったエッセイ。
いとうせいこうとみうらじゅんのかみ合っているような、かみ合っていないような、時々、がっちりクロスするような会話が楽しい。
二人で勝手に想像を広げていく感じが楽しい。仏像を作ったときの人の気持ちや、時には仏そのものの気持ちにまで想像は広がる。
それがやけにアクチュアリティが感じられて、思わず笑いがこみ上げてくることもしばしばだった。
面白おかしく読んだ本だったが、最後の最後で泣きそうになった。
仏像は修復できるが、人間は修復できない。そんな言葉にたどりつく二人が、かっこよかった。
読み終わるのが惜しい本。
本能のみうらさんと理性のいとうさんの掛け合いが絶妙です。
写真・イラスト・キャプションも、爆笑につぐ爆笑。
ページが進むにつれ、永遠にこの本が読み終わらなければいいのにと思いました。
仏像が好き!この本を読んだあとは、心から言えます。
アツい「仏友」たちに乾杯…
この気持ちよくわかる
いとうさんとみうらさんのコンビ、最高ですね。
全く考え方の違う2人、だけど、凄い共通項を感じる。

仏像好きの自分としては、本当にみうらさんのテンションがよくわかる!
まさに仏像を『見に』行くのではなく、『会い』に行くのだ★☆★

仏像に恋焦がれて、思春期の少年のような2人。
凄く可愛い。

いろんな視点で、仏像を語ってる2人を見ていると、
あ〜〜今すぐにでも、自分もお気に入りの仏像たちに会いに行きたい
衝動にかられてどうしようもない。

わかりやすく描かれているから、
どんな人にでも抵抗なく読めるのではないかな?
と私は思いますよ。多分。

笑えますしね、くくくと・・・♪
仏像をたのしみながら学べる書
イラストレータの「みうらじゅん」と作家の「いとうせいこう」が、各地の仏像を見てまわる旅行記をまとめたシリーズの第一弾。
古代日本の仏教を醸成した奈良や京都はもちろんのこと、奥州藤原氏が栄えた東北地方、仏教伝来の地である九州の大宰府など、各地方の有名な寺院が取り上げられている。
仏像を宗教的な崇拝の対象としてでなく、美術品としてみる彼らの「見仏」スタイルは、仏教とか仏像とかの世界の敷居を低くし、読者をその世界観へ入りやすくさせてくれる。また、仏教用語や基礎知識が、イラスト入りの注釈で添えられているのも親切である。
はじめは独自の世界観をもつみうらさんを持て余し気味のいとうさんだが、旅を重ねるにつれて「仏友」に対して厳しいツッコミを入れられるようになる過程もおもしろい。
理論を詰めて答えを導こうとするいとうさんと、直感的に物事をとらえようとするみうらさんのコントラストのある視点もいい。